50代から始める「相続準備」完全ガイド|前もってやるべきことリスト

なぜ「相続準備」は、今すぐ始めるべきなのか?
相続は、誰にでも必ず訪れるライフイベントです。しかし、多くの人が「まだ早い」「自分は大丈夫」と後回しにしがちです。
その結果、遺産分割で家族が揉める“争族(そうぞく)”や、思わぬ相続税負担が発生し、家族の生活に大きな影響を与えてしまいます。
しかし、相続準備は「今」こそ始めるのが最も効果的。
認知症による判断能力の低下、急な病気・事故など、人生の不確実性を考えると、早めの対策があなたと家族を守ります。
本記事では、相続の基礎から、実際に何を準備すべきか、家族が安心できる相続の進め方まで、具体的にわかりやすく解説します。
相続準備を始めるべき3つの理由
認知症で判断能力が落ちると「遺言」が作れなくなる
日本では65歳以上の約5人に1人が認知症と言われています。
判断能力がなくなると遺言は作れず、結果として 家族が遺産分割でもめる原因 に。
早いうちに準備することで、あなたの意思を明確に残すことができます。
相続税は“事前対策”で大きく減らせる
相続税は事前対策で大きく変わります。
- 生前贈与
- 小規模宅地の特例
- 生命保険の非課税枠利用
などは、準備期間が長いほど効果が高くなります。
残された家族の負担を大幅に軽減できる
相続が発生すると、家族は以下の書類を集める必要があります:
- 出生から死亡までの戸籍すべて
- 財産の調査(銀行、不動産、保険など)
- 年金や税金の手続き
これらは非常に負担が大きいですが、事前にあなたが整理しておくことで家族の負担は劇的に減ります。
相続準備の基本ステップ
ここからは、相続準備を進めるために何をすればいいのか、具体的に説明します。
① 財産の棚卸し(財産目録の作成)
まず最初に行うべきは、自分の財産を整理することです。
▼チェックすべき財産リスト
- 預貯金
- 不動産
- 株式・投資信託
- 保険
- 車
- 借金
- 個人の持ち物(骨董、貴金属など)
エクセルでもエンディングノートでもOK。
“何がどこにあるか”を家族が分かるようにまとめておきましょう。
② 戸籍・重要書類の整理
相続には膨大な戸籍が必要になります。
- 戸籍謄本
- 除籍謄本
- 改製原戸籍
- 不動産の権利書
- 保険証券
- 通帳・キャッシュカード
これらを一つの場所にまとめ、家族に伝えておくことで、手続きが驚くほどスムーズになります。
③ 遺言書の作成(もっとも重要!)
相続準備の核となるのが「遺言書」です。
▼遺言があると何が違うのか?
- 遺産分割協議が不要になり、家族が揉めにくい
- あなたの意思が確実に実現できる
- 財産分配に関する不公平感が減る
▼おすすめは「公正証書遺言」
費用は数万円〜と少しかかりますが、
- 法的に無効になりにくい
- 紛失しない(公証役場で保管)
- 相続の開始後すぐ効力を発揮
というメリットがあり、最も確実です。
相続税・贈与対策の基本
相続税は対策次第で大きく変わる部分です。ここでは必須ポイントだけ押さえます。
① 相続税の基礎控除を理解しておく
相続税の基礎控除は以下:
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
例:相続人が妻と子2人の場合
→ 3,000万 + 600万×3 = 4,800万円
あなたの総資産がこの金額を超えるなら、対策は必須です。
② 生前贈与を活用する
毎年110万円まで非課税で贈与できる「暦年贈与」は、長い期間コツコツ使うほど効果的。
ただし、
- 相続税対策として不適切な贈与
- 不公平な贈与
はトラブルの元なので、必ず計画的に行いましょう。
③ 生命保険は相続対策の強力な味方
生命保険には、
- 500万円×法定相続人 の非課税枠
- 現金で家族に残せる
- 納税資金として使える
というメリットがあります。
特に、預金が不動産中心の方には必須の対策です。
争族(トラブル)を防ぐための方法
相続でもっとも避けたいのは、家族が争うこと。
実際、相続トラブルの約7割は「3,000万円以下の遺産」で発生しています。
つまり、誰にでも起きる身近な問題なのです。
① 家族と事前に話し合う(遺産の内容を共有)
- 誰に何を残すのか
- 不動産は誰が住むのか
- 墓・仏壇は誰が引き継ぐのか
これらを共有するだけで、争う可能性は大きく減ります。
② 家族信託(ファミリートラスト)という選択肢
家族信託は、財産管理を家族に任せる仕組み。
以下のようなケースで特に有効:
- 認知症が心配
- 不動産を複数持っている
- 事業をしている
遺言+家族信託で、争族リスクはほぼゼロにできます。
③ エンディングノートで「思い」を書き残す
遺言は“財産”の話ですが、エンディングノートは“気持ち”の話。
- 葬儀の希望
- お墓の希望
- 医療・介護の希望
- 家族へのメッセージ
家族への負担を大幅に減らすことができるため、相続準備とセットで必ずやっておきたい項目です。
不動産がある場合の相続準備
不動産は相続トラブルの原因トップです。
不動産で起きがちな問題
- 住む人が決まらない
- 売却・管理をめぐって揉める
- 遺産分割の話がブロックされる
- 登記が放置される(相続登記が義務化!)
対策としては、
- 誰が住むか決めておく
- 売却方針を共有
- 不動産の評価額を把握
- 遺言で明記
この4つが特に重要です。
専門家を活用するタイミング
「何から始めればいいかわからない」
「家族にどう説明すればいい?」
という場合は、専門家に相談するのが最短ルートです。
依頼するならどの専門家?
| 内容 | 専門家 |
|---|---|
| 相続税の相談 | 税理士 |
| 遺言書の作成 | 弁護士 / 司法書士 |
| 不動産登記 | 司法書士 |
| 贈与・節税設計 | 税理士 |
| 家族信託 | 司法書士・弁護士 |
複数の専門家が協力するケースもあります。
今日からできる3つの相続準備チェックリスト
今日からできる、最も効果の高い3つの行動はこちらです。
① 財産目録の作成
とにかく“見える化”が第一歩。
② エンディングノートを書く
100円ショップのノートでも十分。
③ 公正証書遺言を作る
これだけで争族のリスクは劇的に減ります。
相続準備は「家族への最高のプレゼント」
相続準備とは、“お金”や“書類”の問題だけではありません。
あなたの人生で培ってきた大切な財産・思いを、もっとも良い形で家族につなぐための行動 です。
早めに準備すればするほど、
・家族の不安は減り
・税金は最小化でき
・あなたが望む形で未来を託すことができます。
今日から少しずつで十分です。
あなたと家族のために、「相続準備」をスタートさせましょう。

